同軸ケーブルにコネクタを取り付け、加工品として販売しております
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同軸ケーブル(coaxial cable)とは
同軸ケーブルは、電気通信に使われる被覆電線の一種です。高周波(RF)製品に、以下のような目的で使用されます。
1. TV受像機や無線機と、アンテナとを繋ぐ【給電線用】として使用
2. 計測機器や音声・映像といたった【信号の伝送用】として使用
3. 高周波信号の伝送を中心とした【機器内部の配線用】として使用
送信側から受信側へ効率よく高周波信号を伝送するには、ロスを最小にして反射を生じさせないようにする必要があります。
そのため同軸ケーブルは、不平衡接続である、外部への電磁波の漏れが少ない、ある程度の柔軟性がある、といった特徴があります。
また、反射を生じさせないためには、機器同士のインピーダンス特性が同じであることはもちろん、
同軸ケーブル・コネクタのインピーダンスも一致して、整合が取れている状態が望ましいです。
特性インピーダンスが特に指定されないようなものは「シールド線」として「同軸ケーブル」とは区別することもあります。
豆知識:RF(Radio Frequency)
RF(Radio Frequency)は、直訳する「無線周波数」ですが、日本語の「高周波」に訳すのが定着しています。
「無線周波数」は、無線通信の搬送波として利用できる周波数ですが、どの周波数帯を示しているのかは用途や文脈によって曖昧です。
「高周波」も同じく、周波数の定義は曖昧で、人間が感知できる高音や超音波から無線周波数のことを示したりもします。
参考:周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴(総務省)
豆知識:インピーダンス
交流回路における電圧と電流の比を指します。
直流回路においてはこの比は抵抗を指し、ようは交流回路における抵抗(=電流の流れ難さ)を表した物とも言えます。
高周波同軸ケーブル・コネクタにおいてはその用途に合わせその比の最適化が求められ、50Ωと75Ωに分けられています。
インピーダンス特性を一致させることを「インピーダンス整合をとる」「インピーダンスマッチングしている」といった言い方をします。逆に、一致していない場合は、「インピーダンス不整合」と言い、高い周波数帯での使用は出来ません。
50Ωは主に無線機等の電力の伝送用、75Ωは主にテレビ受像機等の映像・音声信号伝送用となります。
在庫している同軸ケーブル
トーコネは同軸コネクタのメーカーですので、同軸ケーブルは購入品になります。
ケーブル加工を短納期で実現するため、フジクラ・ダイヤケーブル/関西通信電線/四国電線の同軸ケーブルを自社在庫しております。
通常納期2Wのケーブル加工に加え、特急対応のご相談も頂けます。
また、在庫している同軸ケーブルに関しては、カット売りもご相談頂けます。
>在庫している同軸ケーブルの一覧はこちら
同軸ケーブル(coaxial cable)の基本構造
断面は円形状となっており、一般的には、中心から以下の4層で構成されている。
内部導体:中心部に位置する銅線。電気信号を伝送する銅線。
絶縁体:内部導体の周りを囲む絶縁層。
外部導体:絶縁体の外側を囲む編組、網線。伝送時にグランド・アースの役割を担い、外部への信号漏洩や外部からの電波の侵入を防ぐシールド効果がある。
外部被覆:ビニル/保護被覆ともいわれるジャケット。同軸ケーブルの外側に存在する保護カバー。
インピーダンスが指定されていないケーブルを「シールド線」と言い、「同軸ケーブル」と区別することもあります。
豆知識:外部導体について
外部導体はつなぎ目継ぎ目の無い金属管が望ましいのですが、曲げにくくなってしまうので、一般の同軸ケーブルには、曲げやすい編み銅線を使用しています。
編み銅線は漏洩特性が金属管に比べて劣化するので、編み銅線を二重構造にしたり、絶縁体の上にアルミ箔・銅箔を巻いて漏洩特性を良くしているケーブルもあります。
> 同軸ケーブル種類ごとの特長は、こちら
同軸コネクタ(coaxial connector)とは
同軸コネクタ(coaxial connector)とは同軸ケーブルと装置(電気器具)を接続するための部品です。高周波(RF)製品に使用されます。
コネクタの形状は国際規格で決まっており、同じ種類のコネクタであれば異なるメーカーでも接続できます。
基本的に接続部は、オスとメスの形状になっており、それぞれの名称をプラグ(オス)、ジャック(メス)と呼びます。
同軸ケーブルと組み合わせて使用されるコネクタには、使用する周波数帯やインピーダンス特性により複数のタイプがあります。
電気信号の流れ
同軸ケーブルに同軸コネクタを取り付けることで、高周波の電気信号を伝送することが可能になります。
取付時には、以下が接している必要があります。
「同軸ケーブルの内部導体」と「同軸コネクタの中心コンタクト」
「同軸ケーブルの外部導体」と「同軸コネクタの本体」
同軸ケーブルの選び方
同軸ケーブルは、以下の順序に選び進めていくのが、一般的です。
送信機器・受信機器・アンテナなどに合わせて、先にコネクタのカテゴリー(型)が決まり、そこからケーブル選定に入るケースも多いです。
※左右にスクロールして表をご覧ください。
① インピーダンス | 50Ω:無線機等の電力伝送、75Ω:映像・音声信号伝送用 送信機器・受信機器・アンテナなどに合わせ、インピーダンス選定します。 |
② 周波数帯域 | ケーブルによって、使用可能な周波数が異なります。コネクタも同様です。 18GHz以上の高周波になると、専用ケーブルが使われます。 |
③ ケーブルの太さ | 配線する場所によっては、ケーブルが太すぎると入らない場合があります。 外部配線ではあまり気にしない場合も多いですが、機器内部の配線では細いケーブルが必要です。 |
④ ケーブル全長 | 一般的に、ケーブル全長が長くなるほど、ロスが増えます。外部配線の場合は特に、太くてロスが少ないケーブルが選定されます。 |
⑤ ケーブルの硬さ | 一般的に、ケーブルが太くなるほど、硬くて取り回しが悪くなります。使用環境によっては、曲げ半径を気にして、細くて取り回しの良いケーブルを探す必要があります。 |
⑥ その他 | 防水性・高温・多湿など、使用環境に応じて選定が必要です。 |
豆知識:曲げ半径
同軸ケーブルのはある程度の屈曲性がありますが、ケーブルが信号を正常に送信できる最小半径が決まっています。
ケーブル毎に設定された曲げ半径より、ケーブルの半径が少なくなると伝送特性が悪化し、信号が正しく伝送されません。
曲げ半径は、R(屈曲半径)で表現されることも多いです。
同軸ケーブルの種類
同軸ケーブルは用途に応じて、様々な種類があります。
JIS規格の同軸ケーブルをメインにして、以下で詳細説明しております。
>JIS規格同軸ケーブルの種類、詳細はこちら
本項は、同軸ケーブルの種類について、概要にあたる代表的なものを列挙します。
JIS規格
日本産業規格のケーブル。頭の数字が上がると太くなり、D:50Ω、C:75Ωとインピーダンスを表す。
例)
5D-2V
5:絶縁体外径(数字が大きいほど、太いケーブル)
D:特性インピーダンス記号(D:50Ω、C:75Ω)
2:絶縁体記号(2:PE充実絶縁、QE:ポリエチレン、など)
V:外部導体・シースなどの形状記号(V:一重編組・ビニール、W:二重編組・ビニール、T:三重編組・ビニール、など)
豆知識:インピーダンスごとの名称
同軸ケーブルのインピーダンスは、交流に対する抵抗のようなもので、50Ωと75Ωが一般的です。
50Ωは主に無線機等の電力の伝送用、75Ωは主にテレビ受像機等の映像・音声信号伝送用となります。
JIS規格の場合、製品名に「D」が付くと50Ω(3D-2V、5D-2Vなど)、「C」が付くと75Ω(3C-2V、5C-2Vなど)の同軸ケーブルとなり、
同軸コネクタもインピーダンスを合わせて整合をとることが好ましいです。
上記2種類が一般的となった背景は、以下の通りです。
・ケーブル絶縁体には当初空気が用いられ、最適な(損失が少ない)導体径比(外部導体内径/内部導体外径)にすると約75Ωとなったため
・ケーブル絶縁体にポリエチレンが主に用いられてからは、導体径比を最適にすると約50Ωとなったため。
MIL規格
米軍調達物資規格のケーブル。「RG(Radio Guide)」から始まり、ミルスペックとも呼ばれる。
例)
RG-58A/U
RG:Radio Guide(Radio frequency coaxial cable General purposeの略、という説もある)
58:型式番号(制定順に振られているため、JIS規格のように太さ順ではない)
A :付与記号(A~Cのようにアルファベット順に、規格変更記号が振られている)
U :Universal(一般用途)
銅コルゲートケーブル
内部導体を高発泡ポリエチレンで絶縁し、外部導体はリング状波付銅管を使用した同軸ケーブル。 通常の編組と比べ、遮蔽性が高くシールド効果が抜群のため、携帯電話基地局、高度道路交通システム等のインフラで用いられることが多い。
高周波測定用ケーブル
周波数帯18~60GHzまでに対応した、高周波測定用のフレキシブルケーブルです。SMA,Nをはじめ、3.5mm,2.92mm(K),2.4mm,1.85mm(V)といった高周波向け小型コネクタへの取付が可能です。適合可能なコネクタはケーブル毎に異なりますので、詳細は、画像のリンク先ページよりご確認ください。
セミフレキシブル
周波数帯18~40GHzまでに対応した、セミフレキケーブルです。形状記憶型で、ある程度の屈曲は可能ですが、遮蔽性高く、ロス(減衰)の少ない同軸ケーブルになります。3種類の太さと被覆有無によって、ケーブル選定頂きます。SMA,Nをはじめ、2.92mm(K),SMPといった高周波向け小型コネクタへの取付が可能です。適合可能なコネクタはケーブル毎に異なりますので、詳細は、画像のリンク先ページよりご確認ください。
セミリジッド
周波数帯18~50GHzまでに対応した、セミリジッドケーブルです。無継目金属チューブを用い、セミフレキシブルよりさらに高い遮蔽性と、少ない減衰を実現した同軸ケーブルです。5種類の太さからケーブル選定頂き、曲げ加工の指定も可能です。SMA,Nをはじめ、2.92mm(K),2.4mm,1.8mm(V)といった高周波向け小型コネクタへの取付が可能です。適合可能なコネクタはケーブル毎に異なりますので、詳細は、画像のリンク先ページよりご確認ください。
細線
U.FLに代表される超小型コネクタと取付する極細の同軸ケーブル。