【完全ガイド】基板用コネクタの構造と種類

現代の電子機器や高周波通信機器において、基板用コネクタ(基板実装用コネクタ)は回路間で電気信号や電力を正確に伝送するための必須部品です。機器の小型化や高周波化に伴い、要求されるコネクタの性能や形状も高度化しています。
本記事では、基板用コネクタの基本構造から接続形態、代表的な種類、選定時の注意点まで分かりやすく解説します。
同軸コネクタ総合カタログ
トーコネ製同軸コネクタの総合カタログです。
PDFファイルに加え、WEB画面にて確認頂ける電子カタログもご用意しております。
2025年4月分までの反映ですので、最新情報はHP内の製品ページをご確認下さい。

基板用コネクタ(基板実装用コネクタ)とは?
基板用コネクタ(基板実装用コネクタ)とは、プリント基板上へ直接ハンダ付けなどによって実装し、基板同士や高周波信号ケーブル、外部機器を電気的に接続するための機構部品です。
高精度な電子機器において、単に回路を導通させるだけでなく、以下のような重要な役割を果たしています。
- 高精度な信号・電力伝送:伝送損失やノイズを最小限に抑え、安定した電気的接続を確保する。
- 機器組み立ての効率化:複雑な配線作業をワンタッチ化・ユニット化し、製造コストを削減する。
- メンテナンス性の向上:故障時のモジュール交換や、基板単位での仕様変更・修理を容易にする。
広範なラインナップから最適なコネクタを探す際は、以下の製品情報をご参照ください。
基板用コネクタの基本構造
基板用コネクタは、電気を流す金属部分と、それを保護・保持する絶縁体によって構成されています。特に同軸コネクタなど高周波を扱う製品では、シールド構造も重要な役割を果たします。
- ハウジング(シェル・絶縁体):コンタクト同士の接触(ショート)を防ぐ絶縁体であり、端子を正しい位置に保持します。金属シェルを備えるタイプは、外部ノイズの遮蔽や逆挿入防止(キーイング機能)の役割も担います。
- コンタクト(中心端子・外部端子):電気的・信号的な導通を担う金属パーツです。ピン(オス)とソケット(メス)の嵌合構造になっており、高周波コネクタでは信号伝送用の「中心コンタクト」とグラウンド用の「外部コンタクト」に分かれます。
基板用コネクタの構造・実装方式による分類
物理的な結合方法や、基板へどのように固定・ハンダ付けするかによって分類されます。
構造による分類(1ピースと2ピース)
| 方式 | 構造の特長 | 主なメリット |
|---|---|---|
| 1ピースタイプ | 基板上のパターン(カードエッジ等)へ直接接触させる方式 | 部品点数を削減でき、コストダウンや省スペース化が可能 |
| 2ピースタイプ | オス(プラグ)とメス(レセプタクル)双方を基板に実装して結合する方式 | 接触信頼性が高く、着脱耐久性や振動耐久性に優れる |
基板実装方式による分類
- スルーホール(DIP)型:基板に設けた貫通孔(スルーホール)にピンを挿入し、裏面からハンダ付けする方式。物理的・機械的な保持力が強いため、ケーブルの引っ張り荷重がかかりやすいコネクタに適しています。
- 表面実装(SMT)型:基板表面のパッドに直接ハンダ付けする方式。基板の裏面にもパーツを配置できるため高密度実装に向いており、マウンターによる自動実装にも対応しやすいのが特長です。
- エッジマウント型:基板の端部を挟む、または端面に沿って取り付ける方式。高周波用SMAなどで多く、基板上の伝送線路とコネクタを短い距離で接続しやすいです。
接続形態による分類
コネクタは「基板と何を接続するか」という用途・形態によって大きく4つのパターンに分かれます。
- BtoB(Board to Board):基板対基板:メイン基板とサブ基板など、複数の基板同士をダイレクトに接続する形態。機器内部のスタック(重ね置き)配置などに活用されます。
- BtoW(Board to Wire):基板対電線・同軸ケーブル:基板からケーブルを介して他のユニットへ接続する形態。高周波同軸ケーブルと基板を繋ぐ高周波用レセプタクルもこの区分に含まれます。
- I/O(Input/Output):外部入出力:機器のパネル・筐体表面に取り付け、外部機器や測定器からのケーブルを接続するためのインターフェース用コネクタです。
- 短絡コネクタ(ジャンパーピン・無反射終端器):基板上の回路を物理的にショートさせて設定を切り替えたり、伝送線路の末端で信号反射を防ぐ(インピーダンス整合)ために使用されます。
代表的なプリント基板用同軸コネクタの種類と用途
高周波機器や通信用基板、精密計測機器では、使用する周波数帯域や実装スペースに合わせて最適なコネクタ規格を選定する必要があります。以下はトーコネが提供する代表的な製品群です。
SMAコネクタ(高周波・小型同軸コネクタの定番)
螺合(ネジ結合)により強固で信頼性の高い接続を実現。DC〜18GHz帯などの高周波領域に対応しており、基板用レセプタクルもストレート・ライトアングルなど豊富にラインナップされています。
SMB / MCX / MMCXコネクタ(省スペース・プッシュオン型)
スナップオン(ワンタッチ)着脱構造を採用。基板上の限られたスペースにも実装可能で、車載アンテナモジュールや超小型無線通信機に最適です。
BNCコネクタ(汎用高周波コネクタ)
バイオネットロック(バヨネット結合)方式により、工具を使わず迅速な着脱が可能。測定器や映像機器、実験用基板などで最も普及しています。
高周波・高密度実装用コネクタ(SMP、H・BNCなど)
高速通信基板向けに最大40GHzまでの高周波に対応した超小型SMPコネクタや、BNCでは入らないスペースへの高密度実装に対応するH・BNCコネクタなどです。
コネクタ付き同軸ケーブル(ハーネス)の選定
プリント基板用同軸コネクタの性能を最大限に活かすには、接続する同軸ケーブルアッセンブリの品質も欠かせません。
自社での圧着やハンダ付け加工は、一見手軽に見えますが高周波帯域におけるインピーダンスの乱れやノイズ漏れ、VSWR(電圧定在波比)の悪化を引き起こす原因となります。専門メーカーで自社一貫生産されたコネクタ付き同軸ケーブル(アッセンブリ品)を採用することで、信号の減衰や波形歪みを最小限に抑え、高い品質安定性と信頼性を確保できます。
基板用コネクタ選定の注意点
製品選定時は、定格電圧・電流だけでなく以下の運用上のポイントに配慮することで、開発事故や歩留まりの低下を防ぐことができます。
誤挿入・ポカヨケ対策
万一の誤嵌合による回路破損を防ぐため、キー形状やガイドピン、識別用カラーコードの入った構造を選定することが推奨されます。
インピーダンスマッチング
高周波伝送では回路の特性インピーダンス(主に50Ωまたは75Ω)を一致させることが不可欠です。誤って50Ωと75Ωの異規格を嵌合させると、信号反射やピンの物理的破損に繋がります。
耐環境性能の確保
使用環境に応じて、Oリングによる防水・防塵設計(IP規格対応)や、振動・衝撃による接触不良を防ぐ強固なロック機構(ネジ止めなど)を備えた製品を選定してください。
プリント基板用同軸コネクタのご相談はトーコネへ
プリント基板用同軸コネクタは、高周波特性や設置スペース、耐久性、使用環境に応じて適切な製品を選ぶことが機器全体の信頼性を左右します。
株式会社トーコネでは、標準規格品はもちろん、基板の仕様やスペース制限に応じたカスタマイズ品・特注アッセンブリ品の製造にもフレキシブルに対応しています。基板用コネクタの選定や高周波ケーブルアッセンブリでお困りの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。




